7月10日、半導体受託生産大手の台湾積体電路製造株式会社(TSMC)の4~6月の売上が、市場予想以上に高まったことが示されました。これは、AIアプリケーションのブームによりTSMCの半導体製造能力への需要が増加したためと見られています。
ブルームバーグの計算によれば、TSMCの4-6月の売上高は4808億台湾ドル(約2兆1800億円)。これは、多くのアナリストたちが予想した4762億台湾ドルを上回る結果となりました。具体的な数字を見ると、6月だけでの売上高は1564億台湾ドルとなっています。TSMCが主要な受託生産業者となっていることを考えると、この結果は驚くべきことではありません。NVIDIAのAIアクセラレーターチップの受託生産を手がけていることからも、その地位が理解できます。
今回の好成績により、TSMCの株価は早い段階で上昇を始めています。事実、ゴールドマン・サックスのアナリストはTSMCの目標株価を700台湾ドルとすることを提案しています。これは、TSMCの努力と成果を評価してのことだと言えます。
それに加えて、熊本県菊陽町で建設中のTSMC(運営は子会社のJASM)の工場は2024年末の生産開始を予定。設備投資額約1兆円、1700人の雇用を生むビッグプロジェクトが始動しています。また、この第二工場設立計画も明らかになっています。
すでに2022年第四半期に量産を開始し、2023年後半にはさらに改良された版であるN3Eの量産を開始する予定となっています。これにより、より高性能で電力消費を抑えた先端半導体が実現します。自動車産業向けにもこれらの新技術の提供がされる予定で、進展は非常に注目されるものとなっています。
この成功の一方で、TSMCは次世代の2nmプロセスであるN2の開発も順調に進めており、2025年の量産開始を目指しています。加えて、ロジック技術だけでなく、スマートフォンや自動車などの分野で使われる特殊な技術開発も行っています。
国内のウェハ出荷枚数も増大し、カスタムチップ製品や大学向けプログラムなども展開中で、今後の成長が楽しみです。これらの活動はTSMCが日本市場でどれだけ進展し、どれだけの影響を及ぼしているかを示すもので、今後も日本でのTSMCの進展と成果を見守ることが重要となります。
参照記事・引用元画像
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