トーハンと山下書店:書店業界の夜間無人営業への挑戦

ビジネス

東京・東急世田谷線の山下書店世田谷店が、2023年3月に夜間・早朝の無人営業システムを導入し、24時間営業モデルの実証実験をスタートさせました。書店業界で時短営業が広がる中で、なぜ24時間営業を試みるのか、トーハンのスーパーブックスとトーハンの和田隆氏によるインタビューを通じてその背景を探ります。

〈新しい形の書店を模索するトーハンと山下書店の試み〉

山下書店世田谷店は、現在、10時から19時まで有人での営業を行い、19時から翌10時までの間は無人で営業しています。トーハンが運営するスーパーブックスのスタートアップ企業Nebraskaの提案で、夜間の無人営業を導入したのは、書店運営が厳しさを増している現状に対処するためでした。

「MUJIN書店」という新しいシステムを活用して、LINEのアカウントを使って無人営業を行うことが可能です。利用者は店舗ドア横のQRコードを読み込み、LINEアカウントの認証と解錠を経て入店します。会計は完全セルフで行い、購買記録はLINEアカウントで確認できます。また、退店後は自動でドアがロックされる仕組みです。

〈夜間無人営業の背景と意義〉

夜間の24時間営業は、人件費削減や夜間の売り上げ獲得に有益であり、お客さんは自分だけの空間を楽しむことができます。大塚店のように有人で24時間営業している書店では、新刊が日付が変わった瞬間に並ぶこともあるほど、ファンにとって特別な場となっています。

スーパーブックスは「ブクマスペース」というサービスを展開し、書店の店頭をプロモーション用のスペースとして他の事業者に提供しています。これらの新たな試みを通じて、書店の収益を改善し、新しい形の書店を生み出すことに挑戦しています。

トーハンと山下書店の取り組みは、リアル書店の苦境にある中で新しい展望を提供し、今後も書店業界が進化し続けることを示唆しています。

参照記事・引用元画像
夜間は無人で24時間営業 新しい形の書店を模索するトーハンと山下書店の挑戦
「いつ行っても開いている」をスタートアップの最新システムで実現 - 東京・東急世田谷線の松陰神社前駅そばに店を構える山下書店世田谷店が、2023年3月に夜間・早朝の無人営業システムを導入し、24時間営業モデルの実証実験をスター...

全般ランキング