双日が注目する「ターコイズ水素」 フィンランドの新興企業と共に新世代の水素事業へ

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水素エネルギーの利用拡大が実現することにより、我々は環境負荷の低減を図り、共通のクリーンな未来を築くことが可能となる。この取組みとして、総合商社の双日は、次世代技術である「ターコイズ水素」の事業化に着手、フィンランドのスタートアップ企業であるハイカマイトTCDテクノロジーズ(以下、ハイカマイト社)に資本参加しました。

ハイカマイト社はターコイズ水素の生産技術を開発しています。ターコイズ水素とは、主成分がメタンの天然ガスやバイオガスなどを熱分解し、塩化炭素(CO2)の排出を伴わない水素を製造する最新の技術です。また、このプロセスによりカーボンナノチューブなど、付加価値の高い炭素製品も同時に生産することが可能となります。

ハイカマイト社は、こうした革新的な技術を駆使して、水素と炭素の製造を行う機械(反応装置)を開発しています。反応装置には同社が開発した独自の触媒技術が組み込まれており、これによって低エネルギーで水素を製造することが可能となっています。

双日は、ハイカマイト社の第三者割当増資に参加し、フィンランド政府系ファンド等と共に出資を行いました。今回調達された資金は2500万ユーロ(約39億円)であり、これはデモプラントの建設のために利用される予定です。このデモプラントでは、水素換算で年間2000トンのターコイズ水素の製造が可能になる施設をフィンランド中部のコッコラ工業団地内に設置、2023年中の稼働開始を目指しています。

また、双日はこの出資によりハイカマイト社の独占的な技術の実施権を獲得。今後、同社と連携して2020年代後半の商業生産に向けた工場進出先等の詳細を検討していく方針です。

既にハイカマイト社は、独自の触媒技術を実現し、エネルギー消費量を抑えつつ水素を製造することに成功しています。そして双日の参画により、このターコイズ水素製造技術が日本へも導入され、将来的な事業化に向けた動きが加速することとなります。

これからの進行により、我々が目指す持続可能な社会におけるエネルギー供給形態が、また一つ新たな展開を見せるでしょう。環境にやさしいエネルギー形態である「ターコイズ水素」の商業化は、地球の未来を左右する重要なステップであり、その実現に日本も名を連ねることとなりました。この一歩が、持続可能な未来を築く一翼を担うことを強く希望します。

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