塩野義製薬、50歳以上非管理職の早期退職者200名を募集

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塩野義製薬は、早期退職を希望する50歳以上の非管理職を対象に200人の募集を開始すると発表しました。同社広報部は、「グローバルな成長や新規事業の確立・成長の実現に向けた人材ポートフォリオの見直しを加速させるため」であると説明しています。早期退職の募集は2003年以来となります。

今回の募集は、2023年8月1日から9月20日までの予定で、同年10月31日に退職する予定です。申し込みを行った従業員に対しては退職金に加えて「転身支援金」が提供され、希望者には再就職支援サービスも提供するとのことです。3月末の従業員数は約2458人で、今回の早期退職者募集の対象数はその8%に当たる人数となります。

23年3月期の決算は、新型コロナウイルス感染症の治療薬の国内販売が好調で、売上高は前年比27・3%増の4266億円、純利益は62・0%増の1849億円を記録するなど、過去最高の収益を上げました。今後31年3月期には、売上高を現状のほぼ2倍となる8千億円に伸ばすという目標を掲げています。

そのための戦略として、海外展開に力を入れ、新規事業を通じてさらなる成長を目指すための人材を活用する方向性を示しました。つまり、ベテラン従業員の早期退職を推奨し、新たな人材との入れ替えを進めるというものです。

現代の日本企業においては、成長戦略の一環として従業員の早期退職を募る事例が増えています。その主な理由は、外部環境や企業状況の変化に対応し、新たな事業展開や組織再編の一環として人材の入れ替えを図るためです。一方で、このような人事政策による企業の人材配置の変更は、短期的な経済効果をもたらす一方で、長期的には社員の雇用不安を招く可能性もあります。経済的な側面だけでなく、その影響を受ける従業員達の生活やキャリアに対する配慮も必要となるでしょう。

今後の日本の企業界では、成熟した市場における競争の激化や経済環境の不透明性、さらには新たな事業モデルの開拓やデジタル化など、多角的な課題に対応しなければならない状況が続くと考えられます。その中で、より効率的な組織運営や人材活用を図るための施策が求められています。しかし、その過程で企業がどのように戦略を組み立て、既存の人材をどのように再評価・活用し、新たな人材をどのように取り込むのかは、各企業の成長とともに注目されるテーマとなるでしょう。

参照記事・引用元画像
塩野義製薬、早期退職200人募る 対象は50歳以上の非管理職:朝日新聞デジタル
塩野義製薬は10日、50歳以上で管理職ではない従業員を対象に、早期退職を約200人募集すると発表した。従業員は3月末時点で2458人いて、募集人数はその約8%にあたる。同社広報部は「グローバルな成長…