2023国際物理オリンピックが初めて日本で開催

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7月10日に物理学への興味・関心を深め、国際的な交流を通じて若者の人材育成につなげる目指す「国際物理オリンピック」が初めて日本で開催されました。この競技会は世界的な高校生たちが一堂に会し、物理学の難問に立ちはだかり、能力を競い合うステージです。1967年にスタートしたこの大会は今まで52回世界各国で行われ、今回が53回目の開催で日本が初めての開催国となりました。

開会式は東京の渋谷区にあるホールで行われ、世界の約80国・地域の選手としておよそ500人が出席しました。開会式は大会の組織委員会の委員長で、2008年のノーベル物理学賞受賞者である小林誠さんが、物理学を学ぶことの価値と選手への期待を込めて開会を宣言する場面から始まりました。小林委員長は「物理学を学ぶことは将来の貴重な財産になります。ベストを尽くしてください」と選手たちへの激励を送り、会場は一層の熱気に包まれました。

そして、それぞれの参加国の選手団紹介も行われました。ウクライナから来た高校生たちの登壇時には、会場から特別な拍手が湧き起こりました。

物理の難問に挑む実際の競技は11日から始まりました。選手たちは、適性と能力を試す実験と理論の問題にそれぞれ5時間をかけて取り組みます。若者たちが最先端の物理学の問題を熟考し解決策を導き出そうとするその様子は、まさに現代の若き科学者たちが活躍する光景と言えます。

最終的な競技の結果は17日の閉会式で公表されますが、上位選手には金・銀・銅の三種のメダルが贈られます。日本代表の選手たちは去年の大会では金メダルを逃したため、2年ぶりの金メダル獲得を熱望しています。

今回の大会は、ただ単に勉強や競技だけでなく、国際交流や未来を担う学生たちの成長の場でもあります。物理学の平均的な学問レベルを超え、様々な角度から物理学を捉え、挑戦する若者たちの活躍に今後も目が離せません。

これからも、国際物理オリンピックのような機会が若者たちにとって貴重な経験と成長の機会となり、科学者としての道を選んだ際の励みとなり、また新たな発見や技術の源となることを願います。

この大会が、彼らの科学者としての道程や、日本を含む各国の科学教育の発展、さらには世界の物理学界全体に対して、次世代を担う若者たちが物理学に取り組む姿勢や創造力を示す機会となることでしょう。

参照記事・引用元画像
国際物理オリンピック 日本で初開催 世界の高校生が難問に挑む | NHK
【NHK】世界の高校生たちが一堂に会して物理学の難問に挑戦し、能力を競い合う「国際物理オリンピック」が日本で初めて開催されることに…