三井物産は連結子会社であるFRDジャパン(さいたま市)への新たな出資を発表しました。これは、埼玉市と千葉県木更津市で実験的に養殖を実施してきたFRDジャパンが、今年の7月に計画している新たなサーモン養殖施設の建設資金を調達するためのものです。
三井物産は、約210億円の増資を長谷工コーポレーションなどと共に引き受けることを決定し、三井物産が78億5千万円、長谷工とエア・ウォーターがそれぞれ50億円を出資、その他の出資者として積水化学工業や三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行などが参加することとなりました。なお、この増資により三井物産のFRDジャパンへの出資比率は50.4%となり、FRDジャパンは三井物産の子会社としての立ち位置を維持します。
FRDジャパンは、バクテリアを利用して水の硝酸を窒素に変換する技術を応用した、効率的かつ持続可能な魚の養殖方法を開発しています。これにより、水資源の使用量を最小限に抑えるとともに、魚の健康を保つことができ、その結果として養殖サーモンの品質を安定させることができます。
また、新設の養殖場を千葉県富津市に建設する計画で、2027年に最初の出荷を目指しています。予定されている生産量は、年間3500トンと大規模であり、国内の養殖市場においてますます強い影響力をもつ存在となるでしょう。
新たな養殖場の出力は主に首都圏の食品スーパーや飲食店に向けて供給され、国内需要の増加に応える役割を果たすことが期待されています。水産物の需要が全世界で高まっている中、三井物産とFRDジャパンは、安定した供給体制を実現するための取り組みを進めています。
このような取り組みは、安定した食糧供給を確保するだけでなく、持続可能な養殖業態勢を確立する上でも重要です。我々はFRDジャパンと三井物産が、そのリーダーシップを発揮し、この分野での革新的な取り組みを推進していくことを楽しみにしています。
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