高松市屋島地区が都市景観大賞に輝く

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高松市屋島地区が「都市景観大賞」の都市空間部門大賞(国土交通大臣賞)に選ばれました。景観まちづくり活動・教育部門は「長崎の歴史文化を生かした夜景まちづくり」が受賞しました。

「都市景観大賞」は、都市景観が国民の共有財産、そして地域固有の歴史や風土が尊重され親しみや敬意の対象になることを目指すもので、大賞はそれを最もよく体現している事例に与えられます。都市空間部門では、公園や街路、水辺、緑地などの公共空間と建物が一体化することで高品質な都市空間が形成され、地域活性化に寄与していることが重視されます。この部門には今年度、全8地区が応募していました。

賞を受賞した屋島地区は、江戸時代から一体化した地域で、その特徴は南北に長く伸びた台地状の地形です。源平合戦の戦場としても知られる屋島は、瀬戸内海国立公園や国史跡、天然記念物に指定され、山頂からは美しい多島美の景色が楽しめます。

〈デザインの力で新たな名所を創出が評価〉

しかし、旅行スタイルの変化や施設の老朽化などにより、昭和47年の年間訪問者数246万人から平成中期には年間50万人にまで大幅に減少しました。これを受けて、高松市は平成25年に「屋島活性化基本構想」を策定し、官民一体で取り組みを開始。専用有料道路の市道化、「屋島スカイウェイ」の改修、山上の「れいがん茶屋」リニューアル、「やしまーる」という新しい交流拠点施設の設置、そして「四国村ミウゼアム」の改装などを進めました。その結果、令和4年度の山上訪問者数は63万人を越え、再び屋島地区は活況を呈しています。

審査員からは、観光地としての活況から一時的な衰退を経験した後、デザインの力で自然の美しさと地域の歴史・記憶を復活させ、新たな名所を創出したことが高く評価されました。

高松市長の大西秀人氏は、「都市景観大賞」受賞について「重点的に取り組んできた事業が評価され、大変うれしく思う。これを機に、地域の再活性化や魅力ある景観の創出に引き続き取り組む」とコメントしています。

「都市景観大賞」受賞は、香川県内で初めての快挙であり、これからも高松市及び屋島地区が、観光名所としてさらなる発展を遂げることで、訪れるすべての人々に心地よい時間と空間を提供し続けることでしょう。

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