資生堂、バイオテクノロジー企業ちとせグループと提携―10億円出資と株式取得へ

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資生堂はこのほど、バイオベンチャーのちとせグループとの戦略的協業契約を発表しました。この契約は10億円の出資と共に、ちとせグループの株式を取得することを含めています。ちとせグループは全世界でバイオエコノミーをリードするバイオテクノロジー企業の一つで、藻類商品の普及を目指しています。

ちとせグループは、多くの企業と協力しながら、藻類研究開発に努めてきており、特に藻類生産の大規模化を中心にプロジェクトを展開しています。その一つがプロジェクトMATSURI(まつり)で、これは2022年から資生堂との共同で始まる予定です。このプロジェクトでは、初めて0.1haの規模で開始し、現在は5haまで拡大され、2030年までには2000haにまで拡大される予定です。

これからの戦略的協力の中心には、藻の持つポテンシャルを最大化し、化粧品とその容器の原料開発、さらには将来的に食品産業にも活用できる素材の研究開発があります。その一環として、藻類は難しい土地でも生産が可能であり、エネルギー効率の高いバイオマス生産を通じて、新たな資源としての可能性が提唱されています。

資生堂とちとせグループの戦略的パートナーシップは、藻類を活用した循環型ビジネスモデルの開発を通じて、グローバル化粧品市場の変革を目指しています。資生堂の使命である”BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でより良い世界を)”のもと、この協業は「サステナブルな社会の実現」に向けた一歩となっています。

資生堂はまた、環境負荷を軽減するための革新的な技術とビジネスモデルの開発も重視しています。使い捨てではない循環型経済の実現を目指しており、その取り組みの一部としてちとせグループとの協力が進行しています。

総合的に見ると、資生堂とちとせグループの協業は、各々の企業のリソースと専門知識を組み合わせ、持続可能な素材の開発と応用における新たな進歩を促進するものです。化粧品産業全体に対する影響だけでなく、環境への影響と社会的価値にも関心が集まる中で、両社の取り組みは注目に値します。事業内容もその社会的インパクトも具体的にはまだ見えていませんが、この一歩がどのように未来を変えるのか、今後の動向に注目が集まります。

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資生堂がバイオベンチャーのちとせグループと戦略協業契約締結 10億円を出資 - WWDJAPAN
資生堂はこのほど、バイオベンチャーのちとせグループと戦略協業契約を締結すると発表した。資生堂は10億円を出資し、同グループを統括するCHITOSE BIO EVOLUTION PTE. LTD.の株式を取得する。