2023年度春の国家公務員総合職試験の結果が発表され、合格者数は2027人、倍率は7.1倍となりました。しかし、東京大学出身者の合格者数は193人で過去最少となり、10年間で半分以下に減少しています。一方で、女性合格者は683人と過去最多を記録し、東大に次いで京都大学と北海道大学からも多くの合格者が出ました。また、海外の大学からも6人が合格しています。
この結果を受けて、人事院は中央省庁が「ブラック職場」として敬遠されているとの見解を示しています。学生の76%が試験の勉強や準備が大変だと感じており、55%が超過勤務や深夜・早朝の勤務が多いと回答しています。人事院は23年度春試験の時期を早め、民間企業と並行して受験しやすくする措置を講じましたが、採用意欲が高まった民間企業には及ばず、申込者数は1万4372人にとどまりました。
東大出身者の減少について、人材の多様化が原因とされ、公務員離れが進んでいるとの分析があります。公務員の働き方や権威の低下が問題視されており、改革が求められています。一方で、立命館大学は公務員試験に特化した就活対策を行っており、公務員講座や国家公務員の魅力を学べるプログラムを提供し、立命館大学出身の合格者数は今年度78人で10年で3倍に増加しました。立命館大学は今後も、学生の進路実現を支援していく考えです。
今回の結果を受けて、公務員試験の受験者数が減少する一方で、女性合格者や地方大学出身者の数が増加していることから、国家公務員の人材の多様化が進んでいると言えるでしょう。しかし、より多くの優秀な人材を中央省庁へ引き付けるためには、働き方改革や待遇の改善が一層求められることとなります。
また、立命館大学などの取り組みを受けて、各大学が公務員試験対策に力を入れていくことが予想されます。今後の日本の公務員制度の改革が求められる中、大学の役割も重要であることが分かります。各大学が公務員試験対策に注力することで、日本の官僚制度の活性化や、多様な人材が公務員として働く姿が期待されます。
今回の国家公務員総合職試験の結果を踏まえ、働き方改革や待遇改善などの公務員制度改革がより一層求められると共に、大学の公務員試験対策の取り組みにも今後注目が集まることが予想されます。これからの公務員制度の進化に期待し、多様な人材が活躍するための環境整備が急務であると言えるでしょう。
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