東京エレクトロン、半導体技術の進化に向け新開発棟を山梨・韮崎に竣工

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東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ(以下、東京エレクトロン)は、古くからコンピュータや通信機器の製造で事業を展開していました。しかし、時代の変化とともに、半導体産業が急速に成長することになりました。東京エレクトロンはこの流れに乗り、数十年にわたって半導体製造装置への事業を拡大させました。その結果、現在では世界的な規模で半導体製造装置を供給するリーディングカンパニーとしての地位を築いています。

〈山梨県韮崎市の穂坂事業所に新開発棟〉

東京エレクトロンは半導体製造装置の需要に対応するために、山梨県韮崎市の穂坂事業所に2万1000平方メートルの新開発棟を竣工させました。この新棟は、免震構造を備え、地上4階、地下1階から成り立っています。設計には大型の半導体製造装置の開発が可能なよう、天井を高くするなどの工夫が凝らされています。また、同時に25台の装置を開発できるスペースも確保されています。

新開発棟では、主に半導体用のウエハーに膜をつける成膜装置の開発が行われています。これにより、半導体技術のさらなる進展が期待されています。特に、現代社会では人工知能(AI)の普及により、デジタル化社会への移行が進んでいます。そのため、高性能かつ高度な半導体製造装置の需要が増加しており、東京エレクトロンの取り組みは大変重要な役割を果たしています。

同社の両角友一朗社長は、新開発棟を次世代の技術創出の拠点と位置付けており、「今年は半導体需要が一時的に停滞しているとされていますが、来年以降は再び拡大すると見込まれています」との見解を示しています。これは、半導体産業の成長が持続するという確信を示すものです。

1990年代後半に半導体バブルが崩壊し、東京エレクトロンは事業規模の縮小に直面しましたが、その後の経済状況の好転や新技術への投資拡大により、再び軌道修正を果たしました。このような挑戦的な過去を経て、東京エレクトロンは今回の新開発棟の竣工を通じて、半導体技術の進化と新たな需要に対応し続ける意欲を見せています。

東京エレクトロンテクノロジーソリューションズの新開発棟竣工は、半導体産業の成長とデジタル化社会への対応に向けた重要な取り組みです。同社は次世代の半導体技術開発を中心に据え、半導体業界全体の発展と社会の進化に貢献しています。

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