パナソニック、インドで無償の「アンカースキルスクール」開校–起業と就職を支援

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パナソニックの「アンカースキルスクール」は、インドのハリドワール工場の近くで運営されている重点事業の一環です。この工場はパナソニックの海外電材事業の主要拠点であり、特に重点と位置付けられている3カ国の一つがインドです。

〈アンカースキルスクール概要〉

アンカースキルスクールは、若年層を対象にした職業訓練学校であり、16歳から35歳までの学生が対象となっています。この学校では、電材パーツの成形や組み立て、スマートフォンの修理などの実践的な技術を教えています。学ぶコースは4つあり、射出成形と圧縮成形、スイッチとMCBの組み立て、スマートフォン修理、家電修理の分野に特化しています。成形と組み立てのコースは2カ月間、スマートフォン修理と家電修理のコースは3カ月間の期間で学ぶことができます。

アンカースキルスクールの特徴的な点は、学習に必要な機材がすべてパナソニックの工場で使われているものを使用していることです。これにより、学生たちは即戦力としての技術を身につけることができます。また、パナソニックの社員もアドバイザーとして授業に参加することもありますが、講師は基本的に工学系の専門学校で教職に就いたプロフェッショナルが担当しています。

この学校は、インドの義務教育が14歳までであるため、その後の進学や就職に途切れが生じる若者たちにとって貴重な機会を提供しています。卒業後、学生たちはパナソニック関連の工場での就職機会が用意されていますが、起業や他の家電メーカーの職に就く選択肢もあります。実際、卒業生の中には自らスマートフォンや家電の修理店を立ち上げて起業する者も多く見られます。

〈CSR活動の一環として〉

この取り組みはパナソニックのCSR(企業の社会的責任)活動の一環として行われており、受講生には受講料、教材費、交通費から食事まで無償で提供されています。地元の新聞社と連携してチラシ配布や学校訪問などの広報活動も行われており、アンカースキルスクールは地域で非常に好評を得ています。

現在はハリドワール地域でのみ展開されていますが、卒業生や企業からの好評により、他の地域への展開も検討されているとのことです。アンカースキルスクールは、若者たちの技術職における可能性を広げるため、地域社会に貢献している注目すべき取り組みです。

参照記事・引用元画像
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