ニデック、TAKISAWAをTOBで買収、完全子会社化への動き

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ニデック株式会社が13日に発表したところによれば、工作機械メーカーのTAKISAWAの株式を公開買い付け(TOB)し、完全子会社化を目指すとのことです。

ニデックからの買収提案は、経済産業省が示したM&Aの行動方針を根拠に、TOBへの賛同をTAKISAWAに求めるものです。その行動方針とは「企業買収における行動指針」(案)であり、企業が買収提案を受けた際には、取締役会に速やかに付議を求め、企業価値向上の観点から十分に検討し、定量的にも比較検討することを推奨しています。

具体的には、ニデックからの提案によれば、買収価格は1株2600円であり、その総額はおよそ166億円にのぼるとのことです。また、買い付けを予定する株数の下限は約319万4100株に設定されています。

進行を予定しているTOBの開始は9月中旬と見られています。ニデックからの公式声明によれば、2022年にはすでにTAKISAWAに対して子会社との資本業務提携を提案していたものの、協議開始には至らなかったとしたうえで、今回改めて提案するに至った背景として経産省の行動指針を示しました。

ニデックのTOB提案を受けて、TAKISAWA側からは現時点で意見表明はないものの、公式には「ニデックの開示資料などを精査した上で、決定次第速やかに知らせる」と発表されています。

ニデックは既に21年8月に、歯車工作機械の三菱重工工作機械(現在はニデックマシンツールとして運営中)を買収し、工作機械事業に新たに参入。これにより3社を傘下に持つ企業となりました。今回のTAKISAWAの買収によって、旋盤分野を強化し、さらなる事業拡大を果たすことが期待されています。

しかし、経産省の推奨する買収行動の原則に基づき、TAKISAWAの株主たちは一連の提案を速やかに精査し、ニデックによる公開買い付け価格が企業価値に対して適切であるかどうか、そして企業価値向上という観点から適切に考慮されているかどうかを広範に評価しなければならないと考えられます。

本件に関するニデック側からの今後の詳細なアナウンスに、市場や投資家たちは関心を持って待ち構えています。TAKISAWAがニデックの一部となることで、日本の工作機械産業がどのような変革を迎えるのか、その先にある可能性と期待は、全世界の関心事となるでしょう。

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ニデックがTAKISAWAに買収提案、経産省の指針も後押し
ニデックは13日、東証スタンダードに上場する工作機械メーカーTAKISAWAの完全子会社化を目指し、株式を公開買い付け(TOB)すると発表した。工作機械を新たな事業の柱と位置づけるニデックは、経済産業省が示したM&A(合併・買収)の行動方針...