日本マクドナルドは、そのカフェ部門の拡大に注力しています。2022年末までにスムージーなど一部カフェメニューを提供する店舗が3倍以上増大し、約2100店舗となりました。カフェメニューによる来客数の増加と、40代以上、すなわち「卒マック」世代の顧客回復もその狙いです。
〈カフェ路線で新たな顧客へアピール〉
マクドナルドは本格的にカフェ系商品提供を強化する動きを見せており、「オレオクッキーチョコフラッペ」(470円から)、「マンゴースムージー」(450円から)、そしてマカロンを全国の2000店舗以上で販売しています。「お得感を感じてもらえる価格設定にした」と同社はコメントしています。
従来、カフェメニューはマックカフェバイバリスタなどマクドナルドに併設されたカフェ店で販売しており、全体の約620店舗で取り扱っていました。しかし、全国に約3000店舗を展開するマクドナルドは、その中の2100店舗まで取り扱い店舗を拡大しました。その拡大の動きは今後も続く予定です。
今年1月には、ブランドのプレミアムローストコーヒーをリニューアルしました。同社は豆の産地と焙煎度を見直し、時間が経っても酸味の少ない、飲みやすい味わいに仕上げています。さらには飲み口を大きくするなど、蓋の改良も行っています。2月には女優の広瀬すずさんをテレビCMに起用し、「カフェラテ」や「キャラメルラテ」の販売促進に力を入れています。
このようにカフェ展開を強化している背景には、食事客だけでなくカフェ訪問客も増やし、全体の来客数を底上げする戦略があります。
〈新たな顧客層獲得への挑戦〉
さらに、顧客層を広げる狙いも持っています。マクドナルドの主な顧客層は10〜20代ですが、これに対して40代以上の顧客は少なく、しばしば「マクドナルド卒業」と評されることもあります。しかし、仕事の合間に一時休息を取るなどのニーズに応え、顧客層を拡大する計画が進められています。家族連れの来店時には親世代がカフェメニューを頼むことも想定し、客単価上昇の効果も視野に入れています。
マクドナルドでは、バーガーなどの食事と一緒にデザートドリンクを楽しむことも想定しており、男性1人でも気軽にスイーツを楽しむことができる環境作りを進めています。
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務をする人が増え、コーヒーを1杯飲んで会社に行くという生活スタイルが減少しています。しかし、ウイルスの収束と共にカフェニーズも増えることが予想され、軽食やドリンクの持ち帰りなど、巣ごもり消費の反動で減る可能性もある滞在型の食事需要に対して、マクドナルドならではの価値が引き続き顧客を引きつけられるかどうかが注目されています。
参照記事・引用元画像
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