作家平岩弓枝さん逝去、91歳 人気時代小説「御宿かわせみ」の生みの親

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2023年6月9日、東京都内の病院で、人気時代小説「御宿かわせみ」シリーズで知られる作家・平岩弓枝さんが、91歳で亡くなりました。平岩さんは、間質性肺炎が元で亡くなりました。彼女の告別式は近親者のみで行われ、喪主は長女の小池三佳さんでした。

東京出身で代々木八幡宮の一人娘として生まれた平岩さんは、日本女子大学を卒業後、作家の戸川幸夫に師事しました。その後、作家の長谷川伸が主宰する「新鷹会」に加わり、27歳で直木賞を受賞するなど、数々の作品を発表しました。彼女の作品は市井の人々の人情味あふれる物語で評価されています。

平岩さんの代表作である「御宿かわせみ」シリーズは、江戸後期の大川端の旅籠を舞台にした物語です。2007年からは 明治時代を舞台にした「新・御宿かわせみ」も連載されました。このシリーズは単行本と文庫を合わせて1500万部以上の発行部数を記録し、読者に大変支持されました。

また、平岩さんは、「はやぶさ新八御用帳」シリーズや「花影の花」、「西遊記」など、剣の名手や歴史上の人物を描いた作品も手掛けました。彼女は小説以外にもテレビドラマや舞台の脚本も書き、NHKの「旅路」やTBSの「肝っ玉かあさん」、「ありがとう」などでも知名度を高めました。

平岩さんは、直木賞の選考委員も務めました。2004年には文化功労者に選ばれ、2016年には文化勲章を受章しました。彼女の作品は、1969年から1970年にかけて日本経済新聞夕刊に連載された「女の顔」や、2008年には日本経済新聞朝刊に「私の履歴書」が連載されるなど、広く読まれました。

平岩さんの訃報を受け、文学界やファンからは、彼女の創作活動への敬意が寄せられるとともに、遺作への期待や追悼の声もあがっています。

人情味あふれる物語で多くの人々の共感を引き出し、日本文学界に大きな影響を与えた平岩さんの逝去は、大変痛惜なことであります。彼女が残した作品は、これからも多くの読者に読み継がれ、日本文学界の一部として永遠に輝き続けることでしょう。今後も平岩さんの活動を支えた周囲の方々や彼女の家族に心からの哀悼の意を捧げたいと思います。

参照記事・引用元画像

作家の平岩弓枝さん死去 91歳 「御宿かわせみ」 - 日本経済新聞
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