宝塚宙組ミュージカル「エクスカリバー」初演│中世英国の伝説を歌と踊りで演出

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7月23日、待ちに待ったミュージカル「エクスカリバー」が東京建物Brillia HALLで開幕しました。これは宝塚歌劇団宙組の新トップコンビ、芹香斗亜と春乃さくらの初披露公演というだけでなく、中世英国の騎士道物語「アーサー王伝説」をフランク・ワイルドホーンの音楽で彩った創世記的な作品で、観客に特別な時間旅行を提供します。

▶︎感動の物語、美しい音と共に

物語は6世紀の英国が舞台。混乱の時代を生きるアーサー(芹香斗亜)が大きな運命を背負い、葛藤しながらも自身の出自と向き合い、ブリテン島の統治者の証たる「聖剣エクスカリバー」を引き抜くところから始まります。新王へと推されながらも苦難を乗り越え、人間的に成長するアーサー王の描写は繊細で、その葛藤と逞しさが胸を打ちます。

舞台上では宙組の高いコーラス力が、フランク・ワイルドホーンの美しい音楽と合わさり、圧巻のパフォーマンスを展開。特にハイライト曲「いつの日か」では、アーサー王の祖国愛と決意が、美しいメロディーと共に表現されています。これは、宙組の優れた歌唱力と、昨年上演した「NEVER SAY GOODBYE」で培われたワイルドホーンの楽曲の扱いによるものといえるでしょう。

▶︎物語のもう一つの主役と見どころ

そして、物語のもう一つの主役は、芹香と共に新トップコンビを務める春乃さくら演じるグィネヴィア。彼女は知識豊富で意見をはっきり言い、弓矢を巧みに操る女戦士として描かれており、現代的で大人っぽい演技が魅力的です。この新たなトップコンビは、新時代の到来を象徴するかのように、鮮やかに舞台を彩ります。

戦闘シーンも見どころの一つで、アーサー王(芹香斗亜)がサクソン族から母国を守るため、仲間と共に闘います。リアルで迫力ある演出は、観客を引き込むだけでなく、アーサー王の王としての立ち振る舞いを象徴する場面となっています。

ランスロット役の桜木みなと、モーガン役の真白悠希も見逃せません。特にアーサーに忠誠を誓うランスロットとの切ない友情、そしてモーガンの存在感ある演技は、物語をさらに深くドラマ性豊かにしています。

そして最終的に、あらゆる困難を乗り越えたアーサーが、大きな王冠に乗って力強く立ち上がる場面は、何とも感動的。ここには新生宙組を率いる芹香の決意とこれまでの歩みが象徴的に示され、作品の余韻を残します。

▶︎最後に

新たな夜明けを迎える宙組の新トップコンビ、そしてアーサー王伝説によって語られる英国の歴史。これらが一体となった「エクスカリバー」は、観客に深い感銘を与える作品となりました。公演は8月5日まで上演されます。芹香斗亜、春乃さくらをはじめとする宙組の一員たちが繰り広げる圧巻のパフォーマンスを、ぜひご覧になってみてください。

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宝塚宙組「エクスカリバー」芹香斗亜、葛藤する王りりしく
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