最近、ベルフェイスによる地方銀行行員と地方在住の50〜70代の地方銀行口座保持者を対象にした地方銀行プラザについての調査結果が発表されました。調査自体は地方銀行が専門店(プラザやセンターなど)を設置しているかどうかに焦点を当てたもので、結果は驚くべきことに、79%の地方銀行が専門店を設置していることが明らかになりました。
これは、地方銀行が顧客に対し専門的なサービスやアドバイスを提供するためのプラットフォームである地方銀行プラザの重要性を示しています。しかしながら、プラザ設置には一定の課題が伴います。調査の中で具体的に挙げられた課題は、人材の確保・育成、他部門との連携、オンラインの実装、時間と距離、需要喚起、DXの実現といった項目です。今回はこれらの課題について詳しく見ていきましょう。
課題1:人材の確保・育成
地方銀行のプラザでは、専門的なサービスやアドバイスを提供する人材が不可欠です。しかし、優秀な人材の確保や育成が難しく、地方銀行内部の専門性とサービスレベル向上は一層の努力が必要とされています。
課題2:他部門との連携
専門店と他の部門間での良好な連携は、顧客対応の効率化やサービス全体の品質向上につながります。しかし現状、専門店と各部署との連携が十分に機能していない銀行も少なくないとのこと。
課題3:オンラインの実装
プラザのサービスをオンライン化することで、顧客が利便性を享受できると同時に、銀行側もより多くの顧客へサービスを提供できる可能性があります。しかしながら、専門店にオンラインの実装がなされていない銀行が多く、デジタル化に課題を抱えている状況と言えます。
課題4:時間と距離
銀行の専門店に顧客が訪れる際、待ち時間や専門家の訪問距離がハードルとなるケースが多いです。この問題の解決が求められています。
課題5:需要喚起
地方銀行の専門店は、提供する専門性をアピールし、顧客の需要を喚起する必要があります。自店の強みや特色を対外的に掲げるマーケティングが求められています。
課題6:DXの実現
デジタルとヒューマンタッチの組み合わせによる地方銀行のDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が焦点となっています。しかし、DX化はまだ十分進んでおらず、人材育成から連携強化、オンライン導入などの取り組みが必要です。
以上の各課題に対して、地方銀行は具体的な解決策を策定し、実行することが求められています。特にDXの推進は、これらのすべての課題を解決する鍵となり得るため、その実現への取り組みと結果が注目されます。地方銀行がデジタルトランスフォーメーションを進行させることで、銀行業界全体の経済的、社会的インパクトを最大化する可能性があります。
参照記事・引用元画像
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